英語・スペイン語翻訳者が英語とスペイン語の語学学習と翻訳作業で出てきた気づきと旅の話をつづります。
ブログ

スペイン語の再帰動詞と再帰代名詞

再帰動詞

スペイン語には再帰動詞と言って、他の動詞とは異なる形の活用をする動詞があります。

ここでは、行為者と対象者が同じ、つまり動詞の示す行為が行為者に対して行われる場合に使用する再帰動詞について基本から詳しく説明します。

 



再帰動詞の活用

再帰動詞は以下のように動作の行為者が自分である時に使います

(私は)起きます。 → Me levanto.

「私が起きること」を「私に対して」行うというニュアンスだと考えます。

Levantarse(起きる)の例で、主語を変えると下記のようになります。
主語の「私」「君」「彼」などが起きることを意味します。
Me levanto.
Te levantas.
Se levanta.
Nos levantamos.
Os levantáis.
Se levantan.

これらの文章の「metesenososse」は再帰代名詞といいます。

再帰動詞は不定詞は「levantarse」のように表記し、「se」の部分が再帰代名詞です。


1つの動詞でも通常の他動詞の形再帰動詞の形の両方で使用できます。

例:他動詞のlavar「洗う」

この動詞を他動詞で使う場合(再帰動詞の用法でない場合)

動作を実行する人(行為者)とそれを受ける人(対象者)が異なります。

例えば、

洗濯物の服(la ropa)の話をしているとき

「誰が洗濯ものを洗う?」
¿Quién va a lavar la ropa?

「今から、(私が)それを洗います。」
Ahora la lavo.

 

お皿(los platos)洗いの話をしているとき

「誰がお皿を洗う?」
¿Quién va a lavar los platos?

「彼がそれらを洗います。」
Él los lava.

 

これらの文章には再帰代名詞がありません

 

再帰動詞「lavarse」を使う場合は、下記のようになります。

「(私が、私の)手を洗います。」
Me lavo mis manos.

このように、再帰代名詞が入ります

 

再帰代名詞

再帰代名詞は下記のとおりです。

単数 一人称(yo) me
二人称(tú) te
三人称(él) se
複数 一人称(nosotros) nos
二人称(vosotros) os
三人称(ellos) se

 

再帰動詞の原形

再帰動詞の原形は、語尾に再帰代名詞seがついた形で表されます。使用するときは、主語の性、数により適切な再帰代名詞を動詞の前に付けます。

下記でlavar(洗う)とその再帰動詞lavarse(自分自身を洗う)の現在形の活用を確認します。

 

lavar

yo lavo
lavas
él/ella/Ud. lava
nosotros lavamos
vosotros laváis
ellos/ellas/Uds. lavan

 

lavarse

me lavo
te lavas
se lava
nos lavamos
os laváis
se lavan

 

再帰動詞の用法

再帰動詞の7種類の用法を説明します。

 

他動詞の自動詞化

文法的に、再帰代名詞が直接目的語になります。

直訳すると「(主語は)自身を~する」といった意味になります。

他動詞を自動詞のように使用する用法ともいえます。

 

例)

Me levanto a las siete.

「私は7時に起きます」というとき、このように言います。

levantarはもともと「起こす」という意味の動詞です。

直訳で考えると「私は自分を7時に起こす」に近いニュアンスです。

 

Me llamo Ana.

「私の名前はアナです。」(直訳:私は自分をアナと呼びます。)

自己紹介で使うllamarseはもともとは「自身を~と呼ぶ」という意味の動詞です。

 

間接再帰

文法的に、再帰代名詞が間接目的語になります。

直訳すると「(主語は)自身に〇〇を~する」といった意味になります。

「(主語は)自身の〇〇を~する」と考えると分かりやすい場合があります。

 

Me pongo el cinturón de seguridad.

「私はシートベルトを締めます。」(直訳:私は自分自身にシートベルトをつける。)

 

Me lavo la cara.

「私は顔を洗います。」(直訳:私は自分自身の顔を洗う。)

※Lavo mi caraとは言いません。

 

相互用法

「お互いに~する」と表すときに用いるので、主語は必ず複数形または集合名詞になります。

 

Nos escribimos con frecuencia.

私たちは頻繁にお互いに手紙を書いています。

 

Ellos se conocen uno a otro.

彼らはお互いに知り合いです。

 

「~してしまった」のニュアンス

再帰動詞で表現すると、「~してしまった」のようなニュアンスになる場合があります。

 

beber
飲む
beberse
飲み干す
comer
食べる
comerse
平らげる
caer
落ちる
caerse
落ちてしまう
dormir
眠る
dormirse
眠りに落ちる
ir
行く
irse
行ってしまう、立ち去る
llevar
持つ
llevarse
持ち帰る、持っていく
tomar
飲む
tomarse
飲み干す

例:comerとcomerse

【通常の動詞】

アナは夕食にパエリヤを食べた。

Ana comió paella para cenar.

 

【再帰動詞】

アナは夕食にパエリヤひと皿を全部食べてしまった。

Ana se comió una paella entera para cenar.

※「~してしまった」というニュアンスが加わっています。

 

例:irとirse

【通常の動詞】

私はパン屋に行きます。

Voy a la panadería.

 

【再帰動詞】

「もう帰るの?」「はい、もう帰ります。」

¿Ya te vas?   Sí, ya me voy.

 

変化を表現

変化「〜になる」を表す再帰動詞はいくつかありますが、それぞれ表現するニュアンスが異なります。

 

Volverse「~になる」(volverは「戻る」の意味)

非自発的な変化や思いがけない変化を表現します。国籍や職業の変化を表現することはありません。

また思いがけない変化を表現するため、定冠詞は使いません。

例)

やがて、彼は優しい人になるでしょう。

Con el tiempo se volverá una persona simpatica.

 

彼は少し変になりました。

Se volvió un poco raro.

 

Ponerse「~になる」(poner「置く」の意味)

健康、気分、体格、色、行動などの瞬間的な変化を表現します。

形容詞か前置詞+名詞の形が続きます。

 

例)

Me pongo rojo.

顔が赤くなる。

 

彼は緊張しました。

Se puso nervioso.

 

彼は病気になりました。

Se ha puesto enferomo.

 

彼らは合意しました。

Se han puesto de acuerdo.

 

Quedarse「~になる」(quedarは「残る」の意味)

変化後の結果、永続的な性質の変化などを表現します。

例)

私の携帯は電池が切れました。

Se quedó sin batería mi celular.

 

彼は耳が聞こえなくなりました。

Se ha quedado sordo.

 

Hacerse「~になる」(hacerは「する」の意味)

hacerseには、2つの意味合いがあります。

 

① 努力した結果や自発的な活動による職業や考えの変化を表現します。この場合は形容詞または名詞が続きます。

例)

彼は自動車の販売で金持ちになりました。

Él se hizo rico con la compraventa de automóviles.

 

子供の頃からの夢でしたが、今それが実現しました。

Era mi sueño desde niño y ahora se ha hecho realidad.

 

Ella no quiere hacerse médico.

彼女は医者にはなりたくない。

 

② 段階的な品質の変化なども表現します。ただしこの場合は、形容詞が続きます。

例)

私たちは年を取りました。

Nos hemos hecho mayores.

 

また類似表現で「llegar a ser」という表現があります。

こちらは運や他の人の努力などで得た結果を表します。

一方、「hacerse」は自分の決意で努力した結果を表現します。

例)

彼は社長になりました。

Llegó a ser presidente.

(結果として彼は社長になったけど、運や他力によるものというニュアンスがあります。)

 

Se hizo presidente.

(彼が社長になると決意し、努力した結果というニュアンスがあります。)

 

Convertirse「~になる」(convertirは「変換する」の意味)

Cambiar(変化/変更する)に近い意味で、大きな変化を意味します。Convertirse enのように、前置詞enが続くことが多いです。

例)

彼は日本のマラソン選手で一番の有名人になりました。

Se ha convertido en el atleta más famoso del maratón de japones.

再帰受身

主語が「人」ではなく「もの」で、三人称で使用される場合、受け身の表現ができます。

 

これはスペイン語で何と言いますか?

¿Cómo se dice esto en español?

*ここでの主語はesto(これ)。

 

ここで電車の切符が売られています。

Se venden aquí billetes de tren.

*ここでの主語はbilletes(切符)。

 

無人称(不定主語)

再帰動詞には三人称に限り、「誰が」を特定せず、一般的、常識的な内容を表現します。「人が~する、~である」という意味になります。常に「se+三人称単数形の動詞」の組み合わせになります。

 

例)主語は「人は」「人間は」のように、特定の誰かではない。

駅に着くまでどのくらい時間がかかりますか?

¿Cuánto tiempo se tarda en llegar a la estación?

 

ここでの喫煙は禁止されています。

Se prohíbe fumar aquí.

 

再帰動詞の説明

再帰動詞としてしか使われない動詞がいくつかあります。

 

atreverse a 思い切って~する
arrepentirse de ~を後悔する
esforzarse 努力する
equivocarse 忘れる
desinteresarse 無関心である
jactarse de ~を自慢する
quejarse de ~について不平を言う
suicidarse 自殺する

例)

No me arrepiento de nada.

私は何も後悔していません。

 

¿De qué te quejas?

何に不満を言っているの?

 

Yo no me atrevo a ir más allá.

それ以上、思い切って進むことができません。

まとめ

先日、再帰表現について質問をもらいました。

このサイトを作成して初めての質問だったのですが、実は技術的な問題が解決できず、コメント機能がうまく機能しておりません。(ご容赦ください。)

いただいた質問が、私も以前にスペイン語の先生やネイティブに聞いて確認したことがあった内容だったので、多くの人がぶち当たる壁かなと思いここで内容を共有させていただければと思います。

(コメント機能の問題が解決したら、そちらも反映します。コメントありがとうございました。)

「Se+動詞の形」の形で再帰表現ではない場合

スペイン語では目的語を動詞の前に置く場合があるので、seやmeが動詞の前にあっても再帰動詞ではない場合があります。

>>参照:目的語の人称代名詞を説明
スペイン語の目的語の人称代名詞

例文:

「Me pidieron un favor.(彼らは私にお願いをした)」も再帰動詞ではなくmeは目的語です。
再帰動詞は「動作が自身に返ってくる」ことを意味するので、ひとつの見分け方として、「自身に」のような言葉を入れて筋が通るかどうかを見てみます。

例えば、再帰動詞で一般的な「lavarse(洗う)」。
「Me lavo las manos」は「私は手を洗います」です。
「私は自分自身の手を洗います」のように「自身の」の意味を加えても筋が通ります。

「Me pidieron」の場合、Ellos(彼らは)が隠れた主語です。「彼らは私にお願いをした」の意味なので、「彼ら自身を」の意味を加えることができません。

また、再帰動詞は「動作が行為者に対して行われる」ので、基本的に「me」などの再帰代名詞と動詞の活用は一致します。
(ただし、「se」は三人称単数(彼、彼女、あなた(usted))と三人称複数(彼ら、彼女ら、あなた方(ustedes))の両方に使われるので、動詞の活用も単数と複数がありえます。)

再帰動詞になるか確認する方法

辞書で動詞が再帰動詞になるかを確認する場合、再帰動詞の原形にはseが付けてあります。(例:lavarse)

RAE(Real Academia Española)の辞書で確認する場合、下記のイラストのように「U. t. c. prnl.」の文字が書かれています。Usado también como pronominalの略で、これが再帰動詞としても使われるという意味です。

 

どう習得するかですが、一日の支度に関する表現では再帰表現が多いので、私はその表現を覚えて再帰表現に慣れることから始めました。

「朝、顔を洗った」「歯磨きをした」「髪をといた」「髭を剃った」などです。
この言い方を覚えた後に、少しずつ再帰動詞のボキャブラリーを増やしていきました。

>>参照:一日の支度に関する表現
スペイン語で朝起きてから出かけるまでにすることの表現

再帰表現はまさに日本語にはない感覚なので、習得が難しいです。

確実なところから慣れたり、覚えたりしていくしかないかと思っています。

 

関連記事>>スペイン語の前置詞をリストアップしました(英語付き)

🔶【スペイン語の前置詞一覧】日本語と英語の対訳と例文付き

関連記事>>前置詞「para」と「por」を詳しく説明(例文付き)

🔶スペイン語の前置詞「para」と「por」 解説と例文

関連記事>>前置詞「en」を詳しく説明(例文付き)

🔶スペイン語の前置詞「en」の使い方解説と例文

関連記事>>直説法の時制をすべて例文で確認!

🔶 スペイン語の直説法を文脈で確認できる例文

関連記事>>すべての時制を説明と例文で一気に復習!

🔶【スペイン語】動詞の「法」と「時制」

 

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  • twitter
PAGETOP